(Entrada a Sala Quintana Roo)
キンタナ ロー州でのマヤ遺跡の調査、発掘は比較的歴史が浅く、ハリケーンで閉鎖されていた時期の発掘の成果も含めて、
これまで未公開の展示物が多いそうですが…。 右はキンタナ ロー室に入った所で、展示モジュールがゆったり配置
されています。
(Caverna de Período Glacial)
入ってすぐ左に洞窟が作ってあり、中にホログラムで火を囲む夫婦が再現されています。 トゥルムのセノーテで
見つかった12,000年前の氷河期の人骨 (洞窟の手前に展示) を元に再現されたもので、外にサーベルタイガー
の頭部まで置かれているのはご愛嬌。 マヤとは直接結びつかないですが。
(Vaso "El Señor de Petén" , Clásico Tardío 600-850 )
さて最初に出迎えてくれる展示品がこれ、ペテンの貴族と呼ばれる宮廷風景が描かれた壺です。 オープン当時は別のものが
置かれていましたが、特別展 "Rostro de la Divinidad" に出展されていたこの壺が、特別展終了後にここに置かれたのでしょう。
壺はカカオを飲む為のもので、文字の描き方から
カンペチェ州最南部の El Palmar で作られたものと考えられるようです。
(Herramientas e Instrumentos de Trabajo, Sur de Quintana Roo, Clásico Tardío 600-850 )
究極の石器文化といわれるマヤで、まず石器の展示があります。 出所はキンタナ ロー州南部とされ、コフンリッチやチャク
チョーベンなどと明記されているものもあり、ナイフ、斧、尖頭器等全て古典期後期のものです。
(Cerámicas de Preclásico Tardío 300BC - 250AD, Sitios sur del Estado)
石器に次いで土器類が古いものから並べられています。 キンタナ ローというと後古典期というイメージが強いですが、展示は
先古典期後期に遡り、チャクチョーベンを含め州南部の遺跡の名前があります。
(Ofrenda Constructiva de Ichkabal, Preclásico Tardío 300BC - 250AD)
イチカバル (Ichkabal) 遺跡から、建物に奉納された土器と貝類がまとめて展示されます。 イチカバルはキンタナ ロー州で
最も古い遺跡のひとつとされ、先古典期後期の展示物にはマヤ文字も残されます。 発掘調査は始まったばかりですが、
州南部にはまだ無名の重要な遺跡が残されるようで、今後の成果が期待されます。
(Ofrenda Funeraria de Kohunich, Clásico Temprano 400-500 )
この容器と皿は
コフンリッチ遺跡 でも最も古い
ヤシュナ広場からで、 建造物 1 の副葬品です。 皿には太陽や日を現すキンが図案化され、容器にはコフンリッチに関する
地名が書かれているようです。 時代は古典期前期です。 (ヤシュナ広場は 2014年1月時点でまだ非公開でした。)
(Cajete con tapa de búho, Templo del Búho, Dzibanché, Clásico Temprano 250-600 )
ここから
シバンチェ遺跡 のミミズクの神殿から
の副葬品です。 神殿はパレンケの碑文の神殿同様、建設時から埋葬を意図して作られ、1994年の葬室発見時には大きな注目を
浴びました。 写真のミミズクをデザインした副葬品が神殿の名前の由来になっています。
このミミズクの容器は訪問時に展示がなく、残された説明書きには国立人類学博物館所蔵となって
いました。 博物館オープン時には展示されていた訳ですが、現在はどこにあるのでしょう? 立派な博物館が出来たので、
地元に返しても良いのではと思うのですが。 (写真は以前人類学博物館で撮ったものです。)
(Vaso con tapa y decoración incisa con monos, Clásico Temprano 250-600 )
(Orejeras y cuenta de Jadeíta, Cajeta con tapa que remata con un mono, Clásico Temprano)
(Cajete con rostros estilizados, Cajete con diseños geométricos y tapa, Clásico Temprano)
(Sartal de 34 cuentas, 14 navajillas y Pendientes de jadeíta, Clásico Temprano)
一番上のサルが陰刻された容器から翡翠のペンダント、黒曜石のナイフまで、全てミミズクの神殿の同じ葬室からの副葬品です。
貴族の横顔が描かれた容器までが人類学博物館蔵となっていて、幾何学模様の蓋付き容器以下はカンクン・マヤ博物館蔵です。
説明書きによると葬室の被葬者は女性で、座位で埋葬され全身が辰砂で覆われていたそうです。 女性でこれだけの墓所や
副葬品が用意されたという事は、被葬者は王の近親者だったでしょうか。 文字資料が無いせいか、被葬者は不明で、細かい時代特定も
為されず 古典期前期 250-600 となっていました。
(Incensario depositado en Templo del Búho)
この香炉もミミズクの神殿の墳墓からで、葬室を閉じた上に置かれていたそうです。 香炉には火にかけられた跡があり、
内部にコパルが残り、外側は辰砂で赤くなっています。 埋葬の際の儀式に用いられ、そのまま埋納されたようです。
(Vasija Tambor al centro, El Resbalón, Cuatro Portaincensarios, Chacchoben, Clásico Temprano)
マヤの創世神話ポポル・ブフに出てくるブクブ・カキッシュは太陽を詐称する悪神で双子の兄弟に退治されますが、
マヤの芸術では度々モチーフになります。 両端の4つの香炉立てはチャクチョーベンからのもので、ブクブ・カキッシュ
が成形されています。 中央のエル・レスバロンからの壺も同様で、共に古典期前期のものになるようです。
(Vasija con Tapa, Dzibanché, Clásico Temprano) (Vasija con Tapa, Sur de Quintana Roo)
(Vaso, Oxtankah, Clásico Temprano) (Pendiente con Rostro Estilo Teotihuacano, Dzibanché)
キンタナ ロー州に於けるテオティウアカンの存在と題して壺類とヒスイのペンダントトップが集められています。 古典期前期
に於けるテオティウアカンの影響はメキシコを通り越してグアテマラやホンジュラスまで見られますが、シバンチェや
オシュタンカーなどキンタナ ロー州南部にも影響が及んでいた事を示す展示物は興味深いです。
(Vasijas de estilo teotihuacano, La Unión, Kohunlich, Oxtankah y Sur de Q.R., Clásico Temprano)
これもテオティウアカンの存在と題された展示で、300年頃にかけてコバやシバンチェ等は自らの政治経済力を強化すべく
テオティウアカンとの関係強化に乗り出した、と説明されます。 中空の脚が3つついた典型的なテオティウアカン様式の
土器など全て無彩色の黒色土器で、左手前のポップの文字が図案化された土器片はコフンリッチから、中央手前と
奥の注ぎ口がついた土器など5点はオシュタンカーからで、全て古典期前期です。
(Cajete con soporte de tapir, Tancah, y Plato con un pez, Oxtanka, Clásico Temprano)
(Cajetes policromo con representacion de animales, Sur de Quintana Roo, Clásico Temprano)
マヤの世界観では動物も重要な役割を果たし、例えばバクは世界の四隅を支えていて、壺の四脚に表現されたりします。
4点とも古典期前期の土器類で、バクの壺はタンカー遺跡出土です。
(Vasijas y Platos con diseño geométrico, Chacchoben, Xelha, La Union, Clásico Temprano)
これも古典期前期の彩色土器ですが、こちらは幾何学模様で飾られています。 右端の蓋付きの容器はシェルハから、
中央の4つの文字が図案化されたものがラ・ウニオン、その他は
チャクチョーベン からで、それぞれ図柄は時や権力、超自然のものなど意味を持っていたようです。
(Escalera Jeroglífica del Edificio XIII o de los Cautivos, Dzibanché, Clásico Temprano)
シバンチェの建造物 XIII、虜囚の神殿から捕虜が彫刻された階段の石材が3つ展示されていました。 現地ではボロボロに
なったものしか見ることが出来ないので、状態の良いものが3つもまとめて見られるのは嬉しい限り、地元の博物館の
面目躍如です。
(Monumentos 11, 13 y ? )
細部を見る為にひとつづつ写真を撮りました。 説明書きではモニュメント 11、12、13 となっていますが、
一番上に置かれた模写はモニュメント12のもので、これは展示された中に見当たりません。
(Escalón 12, Exposición en Palacio Nacional)
モニュメント 12は同じ時期にメキシコシティーの国立宮殿で開催されていたマヤ特別展に持ち出され、代わりに別のものを
持ってきて置き換えてあったようです。 写真はマヤ特別展で撮ったモニュメント12で、補充された一番下のモニュメントは
番号がわかりません。
(Escalón de Cautivo, "Rostro de la Divinidad")
以前 特別展 "Rostro de la Divinidad" に出展されていたものもまた別物でした。 番号不詳です。
(Monumento 17, Sala Maya MMC)
(Monumento ?, Sala de Exposicion Especial MMC)
実は同じ博物館で次のマヤ室にもひとつ、更に第三室で開催中の特別展にももうひとつ展示されています。
捕虜の階段はバラバラになっていましたが、16番目の捕虜という記述も見られ、捕虜と文字が刻まれた石材は幾つも
あるようです。 上のものはモニュメント17 となっていました。
(Escalera jeroglífica de Edificio XIII o de los Cautivos, Dzibanché)
これが実際の虜囚の神殿の捕虜が彫刻された階段です。 状態の良いものは保存の為に持ち出されていますが、一部彫刻のある
石材も残され、矢印の石材は下の画像のようにかなり綺麗に修復されていました、以前はもっと苔むしていたのですが。
(Explicación de los monumentos 11-13)
目新しい捕虜の階段が多く、画像の紹介でスペースを割いてしまいましたが、博物館の説明にはびっくりするような 新しい解釈がありました!
ティカルと共に古典期マヤの二強とされるカラクムルのカーン王朝は、実はシバンチェのカーン王朝が移っていったものだったという説です。
モニュメント 11には シバンチェ近隣のエル・レスバロンや ヨーコップを征服した際に捕えられた捕虜が ユクノーム・チェン I の名前と共に刻まれ、
モニュメント 12 の碑文には 490年の日付とカーン王朝の紋章文字(下段右)が記されており、カラクムル王朝史で 500年頃の王とされる
ユクノーム・チェン I はシバンチェの王で、当時のカーン王朝はシバンチェにあったと言う事になります。
(Punzon Sangrador de Yukno'm Uht Chan, Templo de los Cormoranes, Clásico Temprano)
カーン王朝がカラクムルへ移っていった事を示す遺物がもう一つ。 建造物 II、鵜の神殿の墓所から見つかった放血儀礼用の骨製の器具には、
ユクノーム・ウー・チャン (空みる者、Testigo del Cielo) と所有者の名前が記され、説明書きには 「空みる者」 王が彼の軍隊を伴って
562年にティカルを征服したと書かれています。 (実物は国立宮殿での特別展に出品中で、写真は特別展で撮りました。)
562年にティカルが 敗北した事はカラコルの祭壇 21 に記され、勝利者の名前として 「空みる者」 王(Testigo del Cielo) がある事から、
実際にティカルを破ったのはカラクムルだったと言う説が広く支持されてきましたが、「空みる者」王の副葬品がカラクムルではなくシバンチェで見つかり、
前述のユクノーム・チェン I と同様 「空みる者」王もまたシバンチェの王だったと言う事になります。
カラクムルの歴史は先古典期に遡りますが、最も古い石碑 114 (435年)にカーン(蛇)王朝の紋章文字がなく、古典期後期に入り 623年の石碑 28, 29 や
633年の石碑 76, 78でも まだカーンの紋章が確認されず、カーン王朝の王として多くの遺物で確認されるカラクムルの王は 636年即位の大ユクノーム
として知られるユクノーム・チェン2世からで、それ以前のカーン王朝がシバンチェにあったとすると、カラクムルの王朝史は
大きく書き換えられる事になります。
(Ajuar Funerario Noble, Templo de los Cormoranes, Dzibanche, Clásico Tardío 600-700 )
これもシバンチェ 鵜の神殿で見つかった豪華な副葬品です。 600-700年頃の埋葬で 被葬者が身に着けていたものだそう
です。 鵜の神殿では墓所は3ヶ所見つかっているので、上の放血器と同じ埋葬かわかりませんが、時代的には古典期前期と
後期で異なります。
鵜の神殿の発掘は 10年位前の事なので、この副葬品は新しい博物館で初公開かもしれません。 600-700年頃の埋葬との
事ですが、カーン王朝のカラクムル移転の頃でしょうか?
(Las Joyas de una tumba real, Dzibanche, Clásico Tardío 600-850 )
王墓の宝飾品と言う説明書きの展示品で、これもシバンチェからです。 シバンチェのどの建物からか書かれていませんが、
"Una tumba real" となっているので全て同じ埋葬からのようです。
こうした副葬品は被葬者が生前使っていたものや、埋葬の為に用意されたものの他、先祖代々の宝物も含まれる為、この
副葬品にも古典期前期のものや一部先古典期に遡るものもあるようです。 この副葬品が王墓という事は上の豪華な
副葬品も当然王が身に着けていたものでしょうか。
(Elementos de Fachada, Plaza Pom, Dzibanché, Clásico Tardío 600-850 )
これもシバンチェからで、建物を飾った漆喰彫刻です。 現地では発掘修復活動が最近も続き、2009年にかけて行われた
ポム広場の発掘調査では羽毛の生えた蛇の漆喰彫刻などが回復されていますが、この展示物もその過程で回収されたものだと
思います。
シバンチェのカーン王朝はカラクムルへ移ったのかもしれませんが、この漆喰彫刻は古典期後期のもので、
カラクムルへ移った後もシバンチェは放棄される事なく、後古典期後期まで街は維持されます。
(Monumento 16 - Panel con personajes, Dzibanché, Estela, Cozumel, Clásico Tardío 600-850 )
左のパネルはシバンチェからのモニュメント16となっていますが、どの建物からかはわかりません。 右の捕虜を従えた
石碑はコスメルからとなっていますが、これも
コスメル
の何処からかは説明がありません。 共に古典期後期の石造物です。
(Panel con Texto en Espiral, Cobá, Clásico Tardío 600-850 )
キンタナ ロー州中部で古典期最大の都市
コバ から、
渦巻き状に文字が刻まれたパネルが展示されていました。 文字はかなり明瞭ですが、何が書かれているのでしょうか?
古典期後期です。
(Plato con un personaje noble, sur de Q. R. y Figurilla de una Mujer Noble, Xelha, Clásico Tardío)
ここから古典期後期の土器類の展示です。 当時の宮廷風景を偲ばせるこの2点、左は着飾った貴族が描かれた皿で州南部から。
右は
シェルハ からの貴族の女性を模った人形で、
髪型や衣装は東洋的な雰囲気を出している為、マダム・バターフライの愛称があるそうですが、 耳や腕に ヒスイの装飾品を
つけた高貴な女性で、足には刺青が施されているようです。
(Plato de Peces y Cajete de Ardilla, Oxtankah, Clásico Tardío 600-850 )
オシュタンカーから古典期後期の彩色土器が2点あり、皿には魚、器にはリスが描かれています。
オシュタンカー は遺跡に足を運んでもあまり見るべきものはないので、こうした発掘品を
目にすると少しイメージが膨らみます。
(Ceramicas para vida cotidiana, Clásico Tardío 600-850 )
これは日常生活に供された壺、皿などの土器類です。 古典期後期のキンタナ ロー州からのもので、手前の黒い容器は
コバ、中央のオレンジ色のものはコフンリンチからです。
(Ceramicas para vida cotidiana, Clásico Tardío - Terminal 600-1000 )
これも日常生活に供された鍋、水差し、皿などの土器類。 古典期後期から終末期にかけてのキンタナ ロー州のもので、
平たい皿はプラヤ・デル・カルメンからのもののようです。
(Fragmento de Vasija con personaje, Plato con planta de calabaza, Sur de Q.R., Clásico Tardío)
古典期後期の多彩色の壺、左はチョコレートを飲む容器を持っている人だそうです。 右はカボチャが描かれているそうですが、
葉や茎でしょうか。 キンタナ ロー州南部から。
(Vasos para Chocolate y Cajetes para Atole, Sur de Q.R., Clásico Tardío)
マヤの貴族の飲み物としてチョコレート飲料とトウモロコシの粉をベースにしたアトーレがあり、上の細長い2本の壺は
チョコレート飲料を飲む為のもの、下の器はアトーレの為のものだそうです。
全て古典期後期、州南部から。
(Vaso con Cormoranes, Vasija con Chaak y Banda Terrestre, Sur de Q.R., Clásico Tardío)
(Cajete con Venado, Sur de Q.R., Plato con Tapir, Oxtankah, Clásico Tardío)
マヤでは土器の製作も知識階級の貴族が行い、質の高いものが作られ、権力の誇示と共に贈り物や副葬品にも用いられたと
説明されます。 左上の容器には写実的な鵜が描かれ、右上の容器にはチャークと地上を現す帯が陰刻されています。
左下の器にはシカが、右下の皿にはバクが描かれています。 全て古典期後期です。
(Plato Blom, Rio Hondo, Quintana Roo, Clásico Tardío)
メリダの地方人類学博物館カントン宮殿で主要な収蔵品のひとつだった "Plato Blom" です。 新たにメリダ・マヤ大博物館
が出来、カントン宮殿の収蔵物がどうなるのか気になっていましたが、この重要な絵皿は 出土地に近いカンクン・マヤ博物館の収蔵品に
なったようです。
でも双子の兄弟がブクブ・カキッシュを退治するという、ポポル・ブフの有名な場面が描かれているこの彩色皿は、引っ張りだこ
で、早速首都の国立宮殿での特別展に持ち出されていました。 暫く不在のままかもしれません。 写真は特別展で撮ったもの
です。
(Ceramicas, Período Posclásico Temprano 1000-1200 )
この辺りから後古典期の展示物になり、説明板のタイトルは 「新しい政治、新しい様式」 となっています。
華やかな王朝文化の古典期が終わり、長期暦が刻まれた石碑が姿を消し、展示された土器類を見ても質が下って
地味で実利的なものになってきます。 絶対王政から合議制のような統治形態に変わっていったと考え
られますが、新しい様式は文化的には明らかに後退しているように見えます。
(Incensarios, Playa del Carmen, Piedra de Sacrificio, El Meco, Posclásico Medio-Tardío 1200-1550)
香炉が8つありますが、全てプラヤ・デル・カルメンの洞窟から発見されたもので、後古典期後期 1200-1550年の
ものになるようです。 一般大衆の祭事に用いられたもので、貴族階級の香炉のような豪華さはありません。
写真右の石彫りは 後古典期後期のエル・メコからで、生贄の場面が表されますが、オアハカや中央高原の
影響があるようです。
(Ceramicas, Posclásico Medio-Tardio 1200-1550 )
後古典期後期のものが集められた中には、博物館に隣接したサン・ミゲリート遺跡からの展示物もありました。
一番左側の台にのった奉納品を収めた容器と中に入っていた人形、ナイフ、やじり等です。 他の展示品の出所として
シェルハ、エル・レイ、キニシナ、コスメル、トゥルムの名前がありました。
(Incensario y Recipientes para ofrenda, Posclásico Medio-Tardío 1200-1550 )
(Incensario Chen Mul, Dzibanché, Recipientes en forma de pie, Posclásico Medio-Tardío)
これは後古典期後期の儀礼を示す展示品で、足型の容器は踊りと関連したもので、儀礼の後に ヒスイや水晶、コパル等を
納めて洞窟の中の祭壇等に埋められたようです。 降臨する神の形をとったチェン・ムル様式の香炉は後古典期後期のシバンチェ
からです。
(Incensarios, Quintana Roo, Posclásico Medio-Tardío 1200-1550 )
さてキンタナ ロー室も出口に近づいてきました。 大型香炉が納められた球形の展示ケースです。
(Incensarion en forma de Ceiba, El Rey,Incensario Chen Mul, Dzibanché, Posclásico Medio-Tardío)
左は宇宙を支えるセイバの木の形をした香炉でシバンチェ出土。 右は若い風の神の姿をしたチェン・ムル様式の香炉、
同じく後古典期後期のシバンチェから。 国立宮殿の特別展へ持ち出されていたので、写真は特別展のものです。
(Incensarion Chen Mul con elemento de Chaak, El Meco,
Incensario con Espinas de Ceiba y un Ombligo, Dzibanché, Posclásico Medio-Tardío)
左は雨の神チャークの形をしたチェン・ムル様式の香炉、
エル・メコ から。 右の香炉はトゲがあるセイバの形をして中央にヘソがついています。 シバンチェから。
(Vasija con Itzamnaaj Saliendo de un Caracol, Tulum,
Incensario con Cuatro Mujeres en torno a una vasija, El Rey, Posclásico Medio-Tardío)
左はトゥルム出土の器で、巻貝の開口部からバカブ神が顔を覘かせています。 右はエル・レイ出土の香炉で、4人の女性が
周りを取り囲みます。 共に後古典期後期のものですが、他に例を見ないユニークなもので、キンタナ ロー室最後の展示物に
相応しいものでした。
以上、非常に充実していて見応えのあるキンタナ ロー室です。 初めて目にする展示品も数多く、説明をつけるのに一苦労
でした。
(Sala Maya) (Portaincensario, Templo de la Cruz Foliada, Palenque, Clásico Tardío 600-700 )
さて第二室のマヤ室です。 チアパス、タバスコからカンペチェ、ユカタンまでキンタナ ローを含めてメキシコの全マヤ地域
からの出土品が集められています。
民間資本を導入して同時期にオープンしたメリダ・マヤ大博物館では ユカタン州からの展示物が中心なっているのに対し、
こちらカンクンのマヤ博物館ではキンタナロー州以外の逸品も多く展示され、INAH の全面的な協力を受けている感じです。
入り口横にある最初の展示物はチアパス州からパレンケの香炉立てです。 葉の十字の神殿から発掘されたもので、パレンケの
祖先 G I 神を模ったものだそうです。
まずマヤ地域の地図があり、グアテマラ、ベリーズ、ホンジュラスとエルサルバドルを含めて 96ヶ所のマヤ遺跡が示されます。
地元キンタナ ローに少し偏っていますが、その分細かくカバーされているので、キンタナ ローの知らない遺跡の場所を探す
のに役立ちます。 (地図と遺跡名はクリックすると大きな画像が開きます。)。
マヤ室では各地の異なる時代の逸品が凝縮して展示されており、以下およそ時代順、場所毎にまとめ直して紹介していきます。
(Cajetes y Figurillas, Quintana Roo, Preclásico Tardío 300BC - 250AD)
最初に先古典期の展示物、キンタナロー州からです。 人形はオルメカ風で、素焼きは北部内陸のエル・ナランハルから、
素焼きの下の翡翠の人形は北部沿岸のカリカからの出土品です。 丸い脚を持つ容器は南部カルデリータスからになります。
(Ofrenda Constructiva, Muyil, Clásico Medio 400-600)
これは古典期前期の翡翠製品で、世界自然遺産シアン・カーン北部の
ムイル遺跡 から。 マヤでは建物の新築、増築の際に繁栄を祈念して奉納物が納められたりしますが、この翡翠類はそうした
埋納品だったそうです。 ムイルのどの建物からだったでしょうか。 翡翠は交易品であり、ムイルは海上交易ルートにあたり、
古典期前期から交易で栄えていた様子が窺えます。
(Portaincensarios, Templo de la Cruz, Palenque, Clásico Tardío 600-700, Museo de Palenque)
入り口にあった香炉立ての他に十字の神殿からの香炉立てが5本 展示されていました。 メリダのマヤ大博物館には1本もない
パレンケの香炉立てが全部で6本もあり、カンクン・マヤ博物館、力が入っています。 香炉立ての詳細説明は
パレンケ遺跡博物館大型装飾香炉 を参照下さい。
(Urna con repsentacion del Dios Jaguar del Inframundo, Ocosingo, Clásico Tardío, Museo Chiapas)
チアパス州からはオコシンゴ近郊の洞窟からの骨壺もありました。 州都の
チアパス地方博物館 の所蔵品で 二度目の出会いです。 冥界のジャガー神が表された骨壺で下に夜の支配者ジャガーを従えると
解説がありますが、チアパス博物館では 夜明けの太陽と明けの明星の東の空に結びついた若い太陽の神がヘビとトカゲの顔をした大地
のイミッシュ神の上に載っているとの説明でした。 チアパス博物館の所有と明記されていますが、ずっとここに展示されるので
しょうか?
(Monumento 6, Tortugero, Tabasco, Clásico Tardío 600-700 )
これはタバスコ州トルトゥゲロ遺跡のモニュメント6で、刻まれた碑文が 2012年世界終末説の根拠とされた有名な石彫りです。
タバスコ地方考古学博物館の目玉が何故ここに? 特に複製とは書いてなかったので聞いてみると、叩いてごらん空洞だから、って。
やはり複製でした。
モニュメント6の詳しい説明はこちらから。
(Fragmento de Tablero de la Casa A-D, Palacio, Palenque, Clásico Tardío)
この石板はパレンケの大宮殿北側の家 A-D で発見されたもので、横に碑文の解釈が書かれていますが、 692年1月7日に G I 神の
香炉を奉納した事が書かれているようです。 これは現地の博物館でも見たことのないものでした。
(Tablero con dos Jugadores de Pelota, Ichmul, Yucatan, Clásico Tardío, Museo Chichen Itzá)
球技プレーヤーが刻まれた石板で、ユカタンのイチムルと聞きなれない地名があります。 ユカタン南部の村で、石板はチチェン・イッツァ
の博物館になっていますが、初めて見るものでした。
(Ladrillos con dibujos, Comalcalco, Período Clásico)
タバスコ州
コマルカルコ遺跡 から絵や文字が描かれた
煉瓦が沢山展示されています。 こちらは間違いなく本物で、コマルカルコ遺跡併設の博物館、首都の人類学博物館に匹敵するような
立派で見栄えのするコレクションです。 タバスコ州からもカンクン・マヤ博物館への強力な支援があるようです。
(Cajete con tapa de Buho, Oxtankah, Clásico Temprano 200-600)
(Elemento Arquitectonico, Plaza Pom, Dzibanche, Clásico Tardío)
(Sillar con el Glifo de Ajaw, El Resbalon, Clásico Temprano)
ここから土器類を中心に、展示品を時代を追って紹介していきます。
左は取っ手がミミズクの頭の容器で、古典期前期のオシュタンカーから。 赤く彩色された人面はシバンチェ・ポム広場で建物を
飾った装飾で、口が縫われていて捕虜だそうです。(古典期後期) 右の切り石はシバンチェ北方のエル・レスバロンからで、
ここからの捕虜がシバンチェの虜囚の階段に刻まれていますが、この切り石にはアハウ(王)の文字が刻まれているそうで、
捕虜の階段と同じく古典期前期のものです。
(Vaso con Flamenco, Dzibanché, Clásico Temprano)
(Plato con dos personajes sobre un Trono, Yucatan, Clásico Tardío, Palacio Canton)
(Silbatos \antropomorfos, Jaina, Campeche, Clásico Tardío)
左上はフラミンゴが描かれた古典期前期のシバンチェの壺。 左下は王座に座る二人の貴族が描かれたユカタン州からの古典期後期
の皿。 右下はカンペチェ州ハイナからの人型をした呼子で、皿と呼子はカントン宮殿の収蔵品となっています。
(Cerámicas de didferentes regiones, Clásico Tardío 600-850 )
(Vasija con Imágenes de Venado, Sur de Campeche, Clásico Tardío, Museo Chiapas)
動物が描かれた古典期後期の壺類がまとめられています。 左上がトゥカン、左下がジャガーが描かれた容器で、中央下の壺には
フクロネズミの顔が成形されていて、全てカントン宮殿の収蔵物です。 右端はキンタナ ロー南部からで2羽の鳥が描かれています。
シカが描かれたユーモラスな器はカンペチェ南部からとなっていますが、チアパス地方博物館の収蔵品で、前に見た事のあるものでした。
(Ofrenda Funerario, Kohunlich, Clásico Tardío)
これはコフンリッチから墳墓に納められていた古典期後期の副葬品です。 副葬品も地位のある貴族には手の込んだものが用意され、
左の二色に色分けされたものは蜜蝋を用いて作られ、右の器は漆喰を塗った上に彩色されるなど、いろいろな技法が用いられて
いました。
(Vasija con Banda de Glifos, Sur de Q.R., Clásico Tardío)
(Cajete con Simios, Yucatán, Clásico Tardío, Palacio Canton)
左は大きな文字が帯状に刻まれたキンタナ ロー南部からの容器、右はユカタン州からですが奇妙なサルが描かれたユニークな容器です。
(Cajete con Personajes y Venados Cautivos,
Vasija con Guerreros, Yucatan, Clásico Tardío, Palacio Canton)
左の器には腕を縛られた捕虜とシカが描かれ、右の器に描かれた戦士は矢束を持っているようです。 上のユニークなサルの器から
3点はユカタン州カントン宮殿の収蔵品です。
(Cuchillos y Excentricos, Yucatan, Campeche, Quintana Roo, Clásico Tardío)
土器に交じって一部石器の展示もありました。 黒い二つの小さなエクセントリック石器は黒曜石製でコフンリッチから、チャート製の
エクセントリックはひとつがユカタン、もうひとつはキンタナ ロー、ナイフ3本はキンタナ ローの
カリカ からで、時代は全て古典期後期です。
(Plato con Personajes y Cuatro Glifos, Plato con Ave, Clásico Tardío, Palacio Canton)
左の絵皿には人と4つの絵文字があるそうですが、変わった図柄です。 右は鳥が描かれた非常にポピュラーな図柄で、
類似した絵皿があちこちの博物館で見られます。
(Cajete con dos Monstruos Terrestres, Cajete con Rostro de Buho,
Vasija con Personaje Mofletudo Muerto, Clásico Tardío, Palacio Canton)
左は大地の怪物が2人?配された図柄の容器、中央はミミズクの顔が表された容器、右は頬を膨らませた顔が造形された壺ですが、
目を閉じて死に顔のようです。
(Cajete con personaje sedente, Cajete con personaje en una comida ritual, Cajete con Venados, Clásico Tardío, Palacio Canton)
左の容器には座った貴族が描かれ、真ん中の容器には貴族が儀式で食事する様子が描かれます。 右のシカが描かれた
容器は、色合い、縁取り、シカの描き方など、上の方のシカの容器とそっくりです。
(Cajete con Diseños Abstractos en Negativo, Olla con dos personaje, Cajete con Diseño de Concha, Clásico Tardio 600-850, Palacio Canton)
左は幾何学模様が陰画された壺で蜜蝋で作られたものでしょうか。 中央は貴族の頭部が描かれ、右は貝が描かれていると説明される
ようですが……。
4つの絵文字が描かれた皿 からここまで11点の古典期後期の彩色土器は
ユカタン地方人類学博物館カントン宮殿 の所蔵品で、このマヤ室全体で 20点を超すカントン宮殿から貸し出し品があります。
カントン宮殿にはこれまで何度か足を運びましたが、この貸し出し品はどれも初めて見るものばかり。 豊富なカントン宮殿の収蔵品に
驚くと共に、これらがメリダのマヤ大博物館ではなく、州をまたいでカンクンのマヤ博物館に展示されているのは興味深いです。
(Platos con Calamares y Peces, Dzibanche, Clásico Tardio 600-850 )
(Elemento arquitectonico de Calavera, Kohunlich, Clásico Tardío)
(Cajete Naranja Fino con Dios K, Campeche-Tabasco, Clásico Terminal 900-1000, Palacio Canton)
左の魚とエビが描かれた皿は キンタナ ロー州で、古典期後期のシバンチェから。 中央は同じく古典期後期のコフンリッチからで
ドクロを模った石の建物飾りです。 一番右はまたカントン宮殿から、古典期終末期の K神を描いたオレンジ土器です。
(Panel con relieve de nobles, Templo de Osario, Chichen Itzá, Posclásico Temprano 900-1200 )
ここから
チチェン・イッツァ を中心とした後古典期の
石造物です。
まず最初にオサリオの神殿から、奉納物を交わす貴族が彫られた後古典期前期のパネルです。 カントン宮殿からですが、
初めて見るもので、倉庫にしまわれていたものでしょうか。
(Elementos Arquitectónicos, Chichen Itzá, Posclásico Temprano, Museo Sitio de Chichen Itzá)
これはチチェン・イッツァでは代表的な石造物で、ジャガーが彫られたパネルと、口を開けた一対のヘビの頭に、中央はカメと
ミミズクが彫られた石像です。 チチェン・イッツァ遺跡博物館所蔵。
(Panel con Jaguar, Simio Vestido de Noble, Chichen Itzá, Posclásico Temprano, Museo de Sitio)
ジャガーのパネルの拡大と、右は貴族の服装をつけたサルの石像。 遺跡にある博物館は小さいのであまり展示品がなく、
ジャガーのパネルもサルの石像も初見でした。
(Panel de Hombre disfrazado de Pájaro, El Osario, Posclásico Temprano)
このパネルはマヤ室で一番大きな展示物になります。 説明をチェックし損ないましたが、人類学博物館に同じモチーフの
石彫りがあり、オサリオの神殿の鳥に扮した人物となっていました。 これもオサリオ神殿の同種のパネルだと思います。
(Panel con Guerrero, Chichen Itzá, Posclásico Temprano)
これは戦士のパネルとなっていますが、どの建物か詳しい出所は書かれていませんでした。 武器を持ち正装した6人の
戦士が右に向かって進んでいきます。
(Personaje Alado, Chichen Itzá, Posclásico Temprano, Museo de Sitio)
(Panel con Serpiente Emplumada, Chichen Itzá, Posclásico Temprano, Palacio Canton)
左は背中に羽をつけた空想上の人物で、建物飾りだったでしょうか。 右は羽毛の生えたヘビが刻まれた切り石で、どこかの建物の
壁を飾ったものでしょう。 人物像は遺跡博物館、ヘビの石彫りはカントン宮殿からです。
(Cabeza de Jaguar, Panel con el signo de Venus, Chichen Itzá, Posclásico Temprano)
(Cabeza de Señor con Tocado, El Rey, Posclásico Tardio)
チチェン・イッツァからの石造物が続きます。 左は建物の壁を飾ったジャガーの彫刻、中央は金星の標章が刻まれた石材で、
多分金星の基壇からのものと思います。 共に後古典期前期です。
右はチチェン・イッツァではなく、
エル・レイ遺跡 から
被り物をつけた貴族で、後古典期後期のものになります。
(Atlantes y Serpiente, Chichen Itza, Posclasico Temprano 900-1200 )
再びチチェン・イッツァで、アトランティスの柱とヘビの口の彫刻です。 アトランティスは背の高いものは建物の開口部の
柱だったでしょうか。 遺跡博物館所蔵ですが、アトランティスの一部はキンタナ ローの INAH 所有になっていました。
(Fragmento de Pintura Moral, Xcaret, Posclásico Tardio 1200-1400)
シカレー遺跡 から彩色壁画の断片が展示されていました。
マヤの最高神イッツァムナーがコパルの入った袋を持って トウモロコシの木(?)に向かって進んでいるところと解説されています。
後古典期後期の 1200-1400年頃の壁画で、豊穣を祈念した祭礼の場面のようです。
(Sartal de Cascabeles, Chichen Itzá, Posclásico Temprano 900-1200, Palacio Canton)
(Cascabel enforma de Perro y Dos Pinzas, Chichen Itzá, Posclásico Medio-Tardio 1200-1400)
チチェン・イッツァから銅製品の展示がありました。 左は数珠状になった鈴で後古典期前期のもの。 右は鈴と2本の
銅鋏みで後古典期中後期 1200-1400年頃のもの。 全てカントン宮殿の収蔵品です。
(Incensario, Balankanché, Posclásico Temprano 900-1200, Museo Chichen Itzá)
(Incensario Efigie de Chaak-Tlaloc, Balankanché, Posclásico Tardio 1300-1450, Palacio Canton)
最後に後古典期の土器類で、
バランカンシェ洞窟 からの
香炉が2本ありました。 左は後古典期前期でチチェン・イッツァ博物館、右は後古典期後期でカントン宮殿からでした。
(Vasija con un Pájaro, Chac Mool, Posclásico Tardio 1300-1500) (Incensario con
Rostro con escarificaciones y Incensario con Chaak, Tulum, Posclásico Tardio 1300-1500)
後古典期後期の東海岸で特徴的な土器類で、左は鳥の顔が成形され青く着色されています。
自然保護区シアン・カーンの中心部に
位置するチャック・モール遺跡から。 右の2本は
トゥルム
からで、左の人物は顔に乱切りが施されており、右はその容貌からチャーク像のようです。
以上、第二室のマヤ室でした。 第一室は地元キンタナ ローの収蔵品で構成出来ますが、第二室はマヤ全体なので、他州からの
貸し出し品が多く陳列されます。 差し当たり他州の絶大な支援で、マヤ博物館の名に恥じない展示が可能になっていますが、
今後とも貸し出し品が長期にわたって展示し続けられるのか、それとも返却、若しくは他の収蔵物との差し替えが行われていくのか、
気になるところです。
(SALA ESPECIAL - Exhibicion "Mayas - El Lenguaje de la Belleza")
第三室は特別展示会を開催するスペースで、2012年の開館時から 6ヶ月にわたって 特別展 "Rostro de la Divinidad" が
開催されていました。
この特別展はメキシコのマヤの王墓から発見された翡翠の面を中心にマヤの一級の遺物が集められたもので、2010年8月に首都の人類学
博物館で始まりました。 その後イタリア・ナポリに渡り、2011年にはモレリア、プエブラ、グアダラハラとメキシコ各地を廻り、
2012年にフランスに渡ってパリで開催された後、カンクンのマヤ博物館の最初の特別展なりました。
その後カンペチェでの展示を最後に、集められていた展示品はそれぞれ所属先に戻されたと思っていたのですが……、また幾つかの特別
展示会に別れて出品されているものが多いようです。
(
グアダラハラでの特別展 "Rostro de la Divinidad" の様子
はこちらで紹介してあります。)
訪問時、
第三室では "Mayas - El Lenguaje de la Belleza"
(美の言葉) と題した特別展示があり、 "Rostro de la Divinidad" からの流れの展示品も含む興味深い展示でした。
これはページを改めて紹介してあります。
首都の国立宮殿では "MAYAS Revelacion de un tiempo sin fin"(終わりなき時の啓示?) と題した大規模なマヤの展示会が
4月いっぱい開催されています。 グアテマラからの展示物も多く、空前絶後の規模の展示会で、必見です。
またメリダのカントン宮殿でも "Paisajes MAYAS Hilos de Luz" (マヤの情景-光の糸?) という特別展示があり お勧めですが、
こちらは1月一杯かもしれません。