深い緑のジャングルに覆われた国立公園には、動植物の豊かな自然が残されていますが、ここでは遺跡です。
遺跡での入場料の徴収はありませんが、国立公園に入るのに入園料がありました。
写真は国立公園に入る時に貰った綺麗なパンフの地図部分をスキャンして加工したものです。 フローレス空港の北東にある 370㎢
に及ぶ広大な公園の南、同名の湖の北岸に、ヤシャー遺跡があります。 トポシュテ遺跡はヤシャーの帰りに寄りましたが、国立公園東端の
ナランホ遺跡と北のナクーム遺跡は車では行けないとの事でした。 ナランホは一度行ってみたい遺跡ですが。
(Camino para el Parque Nacional Yaxhá-Nakum-Naranjo)
国立公園入口近くでタクシーを停めて貰い写真を撮りました。 この辺りはもう舗装がありません。
(Entrada del sitio arqueológico de Yaxhá)
そしてヤシャー遺跡の入口が見えてきました。 入口手前で車を降りて、その先は徒歩です。 黄色い看板の左側が駐車場。
ヤシャーについては書かれたものが少なく、ネットでいろいろ調べてやっと
広場や建物名のない白地図?
を見つけ、少ない情報を頼りに遺跡地図を完成させてみました。 訪問時は実際何処をどう廻ったのか今でも正確には
わかりません。 入口が東のアクロポリス (Acropolis Este) の近くだったのは間違いないのですが。
(Joven guía y Estela, cerca de Acrópolis Este)
ヤシャーに関する Wikipedia によると (これしかまとまった情報がありません) ヤシャーには建造物は 500 あり、9つの
ピラミッドと2つの球戯場があって、石碑は 40本見つかっているそうです。 実際 石碑はあちこちに転がって?いました。
写真右は一応ガイドですが、アルバイトの少年ガイド君で、説明はあまり要領を得ませんでした。
(Otra estela media rota)
上の写真同様、入口近くの広場にある石碑です。 大きな人物 (王?) の顔が彫られていて、一応屋根の下に転がって
(安置されて) います。
(Templo 216 de Acrópolis Este)
これは東のアクロポリスの東側に聳え立つピラミッドで、ヤシャーで一番高い場所に位置する 216号神殿
(Templo 16) です。
ネットでヤシャーを検索するとだいたいこのピラミッドがでてくるように、これ迄はヤシャーで一番代表的な建造物だった
ようです。 「これ迄は」 と書いたのは、実は他に沢山のピラミッドが現在建築中なのです!
逆光で残念ですが、大きな写真も載せました。
(Escalera de madera para subir a la parte superior de Templo 216)
216号神殿、正面階段からは登れませんが、北側に木製階段が取り付けてあり、上の神殿部分まで登れます。
(Techo abovedado del cuarto superior)
これは神殿上部の建造物の中です。 壁に塗り込まれた漆喰がまだかなり残っています。
(Espléndida vista de Laguna de Yahxá, desde Templo 216)
こちらは 216号神殿上から眺め下ろした素晴らしい眺望です。 緑の向こうにヤシャー湖が広がります。
緑の右手前に土色の部分が見えますが、広場西側の土塁で 216号神殿の全景はここから撮りました。
(Plaza de Pirámides Gemelas)
216号神殿から降りると、未発掘の土塁がありますが、双子のピラミッド (Pirámides Gemelas) のようです。
ティカルの項で 20年のカトゥン毎に双子のピラミッド複合体が造られた事を説明しましたが、
ティカル以外に唯一ここヤシャーで同様の複合体が見つかっていて、ティカルとの深い関係が窺われます。
(Estela rota debajo del techado)
写真は複合体近くにあった石碑です。 神聖文字が並ぶ綺麗な石碑ですが、残念ながら見事に割れています。
(Un montículo en zona norte ?)
さて、ここからが問題です。 私は何処にいるのでしょう? 上の割れた石碑の写真の 20分後の写真なので、地図
の一番北の方 (Acropolis Norte) かもしれません。 未発掘の土塁です。
(Una pirámide en restauración, Acrópolis Norte ?)
次に行ったのがこの建築現場。
ここからは建築中のピラミッドをご紹介します、と言いたくなるくらい大胆な修復に見えます。
多分地図で中央アクロポリス (Acropolis Central) と書いた所かと思いますが、正直よくわかりません。 光線の具合からすると、
広場の東の建造物のようですが。
(Otra pirámide en restauración, Acrópolis Norte ?)
同じ広場に3つのピラミッドがあり、こちらは一番大きな北側のピラミッドで、角が丸くなっているのが特徴的
です。 台形のピラミッドの上に更に小振りのピラミッドが載っていて、上の小さいピラミッドの方はまだ原型を留めている
感じです。
土砂崩れ状態の中央階段に対して、基壇の方は下から綺麗に修復されているのですが、元々の石材を置き直したというより、
復元図を作り、これに基づいて再建しているという印象でした。
(Y la otra en la misma plaza)
こちらは午前の陽光を浴びた西側の小さめのピラミッド、鋭意修復中です。 右側に北のピラミッドの丸いコーナーが見えます。
(Detalle de la restauración)
建築現場の写真です。 (^-^;;
(Restauración en todo lado)
これも建築現場の写真、今頃はどのように再建されているのでしょう?
(Mas pirámide en restauración, Acrópolis Central ?)
これは西側のピラミッドの北面? 大胆に再建中ですね。
(Falta restaurar más)
こういう状態の廃墟を修復するのですから、それは大変な事だと思いますが…。 写真下方に有る黄色い看板には
グループKと書いてあるのですが、グループKが何処にあるのか判りません。 おそらく地図で北東アクロポリス
(Acropolis Nor-Este) と書いた辺りかなと思います。
(Más pirámide en restauración en zona sur ?)
中央アクロポリス?から南へ下り、ヤシャー湖畔に通じるサクベに向かう途中の写真だと思いますが、やはり修復中。
天文の複合体 (Complejo Astronómico) の一部だと思うのですが。
(Restauración casi terminada ?)
上の写真の北隣のピラミッド、黄色いテープで囲われていてこれも再建中。 でも再建した後 もう古色を帯び始めているような。
(Parte frontal)
上のピラミッドを正面から見たところです。
(Otra pirámide de estilo Petén en restauración o reconstrucción ?)
この写真は上の写真の直後に撮ったもので、四方に階段がついているように見えます。 天文の複合体の中心になるピラミッド
でしょうか?
(O está construyendo una nueva ?)
これまた凄い再建作業です。 ピラミッドの角に鋭角的な切込みが入った独特の形をしています。
上部神殿には高い屋根飾りがあったようにも見えますが。
古典期後期の建造物だと思いますが、同行の少年ガイド君はなーんにも知らないようでした。
訪問から4年半経っているので、今頃は立派なピラミッドが完成しているでしょう。
(Obreros llevan camiseta de Grupo K)
作業員達のうち何名かはグリーンのグループKと書いたTシャツを着ていたので、この辺りもヤシャーのグループKのようですが、そもそも
グループKは何処なのか?
(Banco de Alemania apoya la restauración)
「ヤシャー遺跡発掘・修復プロジェクト」とあります。 BIDというドイツの銀行の借款を受けて、国が進めているプロジェクト
で、右下にグループKとあるので グループKが修復対象のようです。
(Calzada hacia la laguna en excavación)
更に南に下ると、マヤ時代の道路(サクベ = Calzado del Lago)の発掘作業が進行中でした。
盛り土の上に道が作られていたようで、
道路脇から道路へ登る階段が掘り出されていました。 この石組みは再建ではなく掘り出したもので、マヤ時代のオリジナルのようです。
(Calzada hacia la laguna en excavación)
これも道路の西側の斜面で、写真右側の白っぽい部分が道路の端になります。
(Pirámide de Acrópolis Norte ? , Vista desde Mirador)
更に移動して(何処をどう行ったのか覚えていません)多分木の梯子がついた展望台のような所に登ったのだと思います。 未発掘の
ピラミッドの頂上だったかもしれません。 ここからの眺望は素晴らしく、中央アクロポリスの北側のピラミッドが見えました。
(Templo 216 de Acrópolis Este, Vista desde Mirador)
東に目を転じると、最初に登った東のアクロポリスの 216号神殿も緑の中から頭を出しています。
(Lago de Yaxhá también, Vista desde Mirador)
そして南西方向には勿論、ヤシャー湖が。 湖の対岸にはトポシュテ遺跡があるというのですが…。
トポシュテ遺跡は別のページで。
ヤシャー遺跡訪問はもう4年半前になりますが、何分にも資料が少なく、訪問時も、また現在でもその全容が理解できていません。
ティカルの碑文から、7世紀にはヤシャーがティカルに打ち負かされ、その後ヤシャーの王女がティカルの王子に嫁いだ事
なども明らかになってきているようです。 古典期前期には独立した大きなマヤセンターで、その後 古典期後期に入り
ティカルに従属するようになったと言う事でしょうか?
今頃は再建作業が完了して、何か本でも出ていればまた書き直しが出来るかと思いますが…。
でも再建作業中の遺跡を見るのも とても興味深いものでした。