マヤ遺跡探訪
TOPOXTE
ヤシャー遺跡の対岸の小島に(現在は陸続きになっているそうですが)トポシュテ遺跡があります。

古典期後期にはヤシャーの貴族が居住していたようですが、古典期末にペテン地方のマヤ遺跡が放棄されると、ティカルやヤシャーと 共にトポシュテも無人になります。 しかし後古典期中頃に再び街が形成され ペテン地方では数少ない後古典期の遺跡が 残る事になります。

陸続きになっているとは言え、アクセスはやはり湖を渡ってと言う事で、ヤシャーで案内してくれた少年が船の持ち主を捜してくれました。
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     (訪問日 2003年4月15日)
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 (La orilla de laguna de Yaxhá, hay cocodrillo !)

ヤシャー遺跡から湖岸に出ました。 写真の標識、「湖で石鹸を使うな」 は良いとして、「ワニに注意」とは…。 でも折角 なのでトポシュテ遺跡なるもの、見てみたい!

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 (Lancha alquilada para ir a Topoxté)

船の持ち主と交渉し、20ドルで往復してくれる事になりました。 先払いとの事でお金を渡すと何処かへ消えてしまいます。  船はそこにあるのですが、少々不安になりました。

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 (Viaje en lancha por 15 minutos)

待つ事10分位、持ち主のオジサンがポリタンクを持って戻ってきました。 払ったお金で燃料を買ってきたようです。  そして、めでたく出航。

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 (Llegada a la isla de Topoxté)

不安と期待の入り混じった15分位の船旅で、対岸の入り江に着きました。
文化省によるペテン地方の遺跡保護プロジェクトの標識があり、ドイツ政府の資金提供を受けている旨記載されています。

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 (Modesto embarcadero !)

振り返って船着場の様子を。 エメラルドグリーンの美しい湖ですが、透明度はあまり無く、何となくポッとワニが現れても おかしくない感じです。

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トポシュテ島は南北 400m位の小島で、見取り図によると島中に居住跡が認められるようですが、発掘、修復されているのは、 建造物 G、C、5C 位で、Aは土塁のままです。

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 (Sendero hacia las ruinas)

船着場は上の地図でおそらく建造物 G と書かれた辺りだと思いますが、そこから写真の様な森の中の小道を暫く歩くと石組みが見えて きます。 途中には未発掘のマウンドの類が沢山ありますが…。

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 (Edificio G)

最初に見えてきたのが、写真の建造物 Gで、側壁の真ん中辺りから上が無くなっています。

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 (Edificio G)

建造物 Gの西側面、ちいさな階段が取り付けてあります。 後古典期の建物で、やはり マヤ最盛時の古典期の繁栄とは規模が 大分違う印象です。

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 (Edificio G)

建造物 Gの南正面。 サイズと言い、造りと言い、キンタナロー州の後古典期の建物との類似性を感じさせます。

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 (Edificio 5C)

こちらは建造物 5Cの北側、基壇の上の建造物はかなり失われてしまっています。


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 (Edificio 5C)

南の方から見た建造物 5Cの全景。 手前の石碑のように見えるのは柱が残っているもののようです。

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 (Edificio C)

小さな広場の南に トポシュテでは一番高い建造物 Cがあります。 3層の基壇の上に更にもう1段基壇があり、その上に 崩れた神殿?があります。

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 (Edificio C)

更に南へ少し進むと写真のような傾斜のきつい土塁があり、これが建造物 Aで、ここから古典期後期の 49号墓が見つかっているので、 古典期後期の遺構になるのだと思います。

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          (Ornamento de conchas recuperado de Entierro 49, Catalogo de Exhibición 2007)

49号墓の副葬品の中には貝製の素晴らしい装飾品があって、今年( 07年)日本で開かれた インカ マヤ アステカ展に2点出展されていました。 写真は展覧会目録で、右側 75頁にこの躍動感溢れる芸術的な作品が掲載されていました。   (グアテマラ国立考古学博物館収蔵)

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 (Edificio C)

建造物 Aの先は一面森で行き止まりです。 北の方を見返すと 建物跡の向こうに建造物 Cが見えます。

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 (Edificio C)

近寄って建造物 Cの南西側からピラミッドの全景を撮りました。 大きそうに見えますが、階段の幅が小人の為に作られた ように極端に狭く、段数の割りに高さはありません。

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 (Edificio C)
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斜め正面です。 トポシュテの再居住は 1350AD 頃との事なので、14世紀の建造物という事になります。
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  (Parte superior de Edificio C)

幅の狭い階段をなんとか登って神殿の上部です。 覆いがついているので何か素晴らしい物が残されているのか期待しましたが、 写真の通り壁、床、柱に漆喰が残る部屋跡だけでした。

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  (Parte superior de Edificio C)

同じく神殿上部です。 崩れた柱から内部の丸い石材が見えています。
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 (Plaza en frente de Edificio 5C)

建造物 Cの上から広場と建造物 5Cを見下ろした所です。

未発掘の土塁を発掘調査するとまだまだ色々なものが出てきそうですが、現在目にする事が出来るのはここまで 写真で紹介したもので全てです。

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 (Vieje de regreso en lancha, Templo 216 de Yaxhá a la izquierda)

船が待っていてくれるか不安もありましたが、大丈夫でした。 取り残されたら助けを呼ぶ手立ても無いので…。   帰り道、緑のジャングルの上にヤシャーの216号神殿の天辺が見えました。
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  (Hay restaurante-lodge cerca de embarcadero)

船を降りたのが午後1時。 近くにレストランがあると聞き、行って見ました。
とても良かったのでチョット宣伝しておきます。  エコ ビレッジ エル ソンブレロという所で、食事だけでなく宿泊も出来ます。 オーナーはイタリア人のおばさんでした。

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  (Pescado frito de "Petenia Splendida" desde laguna de Yaxhá)

湖で獲れる魚が食べられるというのでオーダーしました。 ペテニア エスプレンディダ(素晴らしいペテン?)という白身魚で 期待以上に美味しかったです。 醤油を持参したら日本人には最高です。 後で公園のパンフを見たら絶滅を危惧される魚として この魚が載っていました。

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  (Cliente viene de bosque también, un perico bonito)
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食事をしていると森からもお客さんが。 飼い鳥ではなく野生のインコ(キホウボウシインコ)ですが、毎日餌を貰いに来るそうです。 片足で立って、もう一方の足で貰ったパンを掴んで食べていました。 超可愛かったです。 画像を拡大すると実物サイズに近く なります。

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  (Vienen perros y gatos, es como zoo ?)

大きな犬が近づいてもインコも慣れているのか全く動じず。 豊かな自然に囲まれた、楽しい森のレストランでした。  またヤシャーに行く機会があれば、絶対ここに泊まります。

ツアーではヤシャーとトポシュテがセットになっているものもあるようで、現地へ行ってから個人で船の交渉と言うのは少々冒険 でした。 


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