マヤ遺跡探訪
XAAC
カリカ遺跡を紹介してくれた知り合いが手付かずの遺跡に誘ってくれました。 ホテルを新規に建てる為、その建設予定地内で 遺跡の確認が行われていたもので、海沿いの灌木の中に残された未修復の建造物を目にする事ができました。 シャーク XAAC と言う名前 の遺跡になり、シェルハ遺跡の北、国道307号と海岸線に囲まれた地域です。

   (訪問日 2004年8月25日)

その後遺跡がどうなったのか気になっていましたが、グラン・シレニス(人魚)という名前のホテルが出来、建物は遺跡保全 の為に埋められたという話です。 という事は遺跡はもう目にする事が出来ず、2004年に撮った写真は貴重なものになりました。 (2014年付記)

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 (Entrada de Hotel Sirenis, foto en 2014)

これは国道沿いのグラン・シレニスの入口で、2014年の写真です。 ゲートでは宿泊客のリストを元に出入りが厳重に 管理されていて、部外者は完全にシャット・アウト。 海辺に建造物がひとつだけ残されているのはわかっていたので、 せめてそこだけでもと思ったのですが、砂浜どころか駐車場にも行けませんでした。


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以下 2004年の訪問記です。


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 (Sendero en la serva cerca de playa)

マチェテ(蛮刀)を持った作業員を先頭に密林に分け入ります。 雨が多いと緑がもっと鬱蒼と生い茂ると思いますが、 雨季の終わりでやや乾燥気味で幸いでした。

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 (Pequeño templo completo con techo)

木々の間からマヤの建造物が見えてきます。
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 (Lado frontal de pequeño templo)

小さな神殿のようで、屋根も壊れずに残っています。

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 (Costado del mismo templo)

同じ神殿の側面。 周りに瓦礫がありますが、基壇が崩れたのでしょうか。

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 (Caminata sobre montículo)

更に進みます。 海岸近くの割りには多少の起伏があります。

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 (Otro templo pequeño)

起伏の上に別の神殿がありました。

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 (Parte frontal)

神殿の正面です。 彩色は残っていませんが、漆喰で塗り固められています。
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       (Encontramos otro edificio semi destruido)

      更に別の建造物。 かなり崩壊が進んでいます。
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 (Dintel caído de mismo edificio)

鴨居の部分の一枚岩は落下しています。
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       (Un cenote al nivel de tierra)

      セノーテもありました。 海岸に近いのでセノーテの水面はほぼ地面の高さです。
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 (Agua transparente del cenote)

水は流れていて大きな魚もいます。 多分海と繋がっているのでしょう。

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 (Sendero está cubierto por la vegetación)

マチェテで道を切り開きながら更に進みます。
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 (Búsqueda de la ruina en la selva casi virgen)

      ガイドしてくれている作業員いわく、もっと大きな建造物も見つかっているが、今日は道が
      見つからないと…。 残念ながら別の建物へ。
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 (Encontramos otro edifico)

調査時の手書きの地図を元に この建造物へ辿り着きました。

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 (Un jaguar de estuco adosado a la pared del edificio)

ジャガーの漆喰彫刻が残る、ジャガーの神殿だそうです。

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 (La cola del jaguar hacia arriba)

何か頭でっかちのジャガーで、尻尾が右上 45度方向に伸びています。

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 (Llegamos a una playa atravesando la selva)

灌木地域を抜けて海岸に来ました。 海岸は入り組んでいて、島のように張り出した先に小さな建造物が あります。 写真中央上の緑の中です。 

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       (Un templo o adoratorio, o garita ? a la orilla de la caleta)

      近づいてみました。 綺麗に残っていますが、修復されているのでしょうか。
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 (Entrada al templo o la garita)

海側は壁で閉じられ、入口は海辺とは反対側に作られています。

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 (Pequeño agujero abierto hacia al mar)

覗いてみると床面に祭壇のようなものがあり、壁には小さな穴が開けられ海の様子が見えるようです。  見張り台でしょうか、それとも神殿でしょうか。

以上、開発予定地にある手つかずの遺跡でした。 後古典期の東海岸様式の遺跡だと思いますが、詳しい事はわかりません。  規模は小さいですが自然の中に何百年も眠っていた遺跡、趣があります。 でも、これがシカレ遺跡のように高級リゾート ホテルの庭の飾りになってしまうと思うと、少し悲しいですね。 今頃はホテルの建設が始まっているのでしょうか。

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最後に現状です。

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 (Estructura y cenote en últimos días)

海辺の見張り台のようなマヤの建造物は新婚カップルの記念撮影の背景に、セノーテでは子供たちが水遊び。 共にネット で見つけた写真です。 遺跡は整備される事なく残念ながら観光施設に取り込まれてしまったようです。

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 (Vista aérea de Gran Sirenis y mapa de facilidades en el folleto del hotel)

グーグル・アースの空からの画像と、ホテルの施設を示したイラストです。 マヤの建物とセノーテを図示しておいたので、 宿泊される方はご参考ください。




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