殆ど知られていないマヤ遺跡です。
チカナ・エコビレッジからキンタナローの主都チェトゥマルへの帰途、地図の遺跡マークを頼りに捜してみました。 ニコラス・ブラボ
ですが、地図には Nicolas Bravo I と Nicolas Brovo II があります。
全く手付かずの遺跡を見てみるのも大変興味深いものでしたが、 arqueología vol.73 2005年 5-6月号に調査が
始まったという記事が載っていました。 古典期後期(600-900AD)の遺跡のようです。
(訪問日 2002年1月7日)
(Ruinas de Nicolas Bravo, lado sur de Federal 186)
遺跡と同名の村?の中に入ると、道路横に草木に覆われたマヤの建物がありました。 三層位ある宮殿風の建造物で、
電信柱横にもうひとつ建造物の頂があります。便宜的に写真の建造物をA,もうひとつの奥の方をBとしておきます。
上の写真で壁面装飾がある部分をクローズアップしてみました。 プーク様式に見られるような小柱が並んでいます。
これも同じ建造物Aで上の写真の左側の側面になり、建物の入口が口を開けています。 こちら側が道路に面しています。
入口のクローズアップです。 グアテマラにも地理的に近く、ペテン様式でしょうか?
これは最初の写真で見えた、もうひとつの建造物Bです。 Aと同じくらいの高さがあり、AとBは低層の建造物で
繋がっています。
建造物B横の土と雑草で覆われた所には入口があるようです。 後ろのブロック塀の中は私有地、
有刺鉄線とブロック塀の間が国有地でしょうか。
私有地側がどうなっているのか知りたく、私有地の家を訪ねると、快く招き入れてくれました。
図々しいですがここはメキシコ。 これが私有地側から見た建造物Bです。
建造物Bも建造物A同様、上の方には建物の装飾が残っていました。
AとBの間の低層の部分には窓と思われるものがあり、中には部屋が広がっていたようです。
これは窓でしょうか、入口でしょうか。 民家の裏庭に入れて貰ったのですが、鶏が走り回って何とも言えない
田舎です。 でも隣にマヤ遺跡があるなんて豪華です。
これは建造物Aの民家側、上の方の写真で小柱が並んでいた面の右側でした。
ここまで見てきたのは国道の南側で、地図で見た Nicolas Bravo I にあたるようです。 国道北側にも遺跡があるとの事で行って見ました。
Nicolas Bravo II だと思います。
(Ruinas de Nicolas Bravo, lado norte de Federal 186)
国道を北側に渡って1Km 位西へ戻ったでしょうか、草原が広がる中、高い塔が見えてきました。
近づいてみました、やはりマヤの建造物です。 Nicolas Bravo II のようです。 それにしても草木が生い茂り荒れるがままです。
回り込んでみると開口部があります。 高さもある立派なマヤの建造物だったようですが、
草原にポツンとあり柵もなにもありません。 登ってみましょう。
開口部の前まで行って見ました。 草が深くて足場も悪くここ迄ですが、立派なマヤアーチです。
様式は東のコフンリッチやシバンチェより、西のカラクムルの方に似ているような気がしますが、地域的には
リオベック地域の東端にあたります。
道路脇にもうひとつ土塁がありました。 注意してみないと通り越してしまいそうです。
でも、正面から見るとしっかり石組みがあります。 二層分の高さは充分ありそうで、アーチ、窓、階段の
跡のようなものも見えます。
はっきり言ってあまりよく判らない遺跡です。 でも手付かずの遺跡がこんな形で残っているのを見る事ができ
少々興奮を覚えました。 今後の調査、発掘を待ちたいと思います。